Marvel Unlimited 全読みブログ

Marvel Unlimited で読めるコミックを出版年度順に読み、感想を記録するブログ

Daring Mystery Comics (1940) #1 Marvelの別冊誌。知らないヒーロー続々登場

表紙

発売日:1939/10/30

 

前回までは「Marvel Mystery Comics」でしたが、
今回は並行でリリースされていた「Daring Mystery Comics」です。

 

Daringと聞くとどこぞのラムちゃんを連想してしまいますが、それは"Darling"。

Daringは"大胆不敵"みたいな意味合いがあるそうです。(英語初心者)

 

THE FIERY MASK

医師 ジャック・キャッスル は、
奇妙な事件の調査に協力するため警察署に呼ばれていた。

ジャックが到着するや否や、
緑色の肌をした暴漢がジャックに襲い掛かる。

警官が射殺し事なきを得たが、
暴漢は一年前に行方不明になっていた男であり、
その相貌は明らかに"とうの昔に死んでいる"ようだった。

 

ジャックは暴漢の身元を洗ったが手掛かりは出ず、
次の手として、ジャックはニューヨーク内の電気使用量を調査する。

ウォーターフロント地区で、
大量に電気を使用している廃屋を見つけたジャックだったが、
中を調べようとした際、現れたゾンビに捕らえられてしまう。

 

施設内に連れ込まれたジャックは、
大量のゾンビや、次の実験台になる女性、
体長が10m近くにもなるワシを目撃する。

 

施設の最奥に到着したジャックは、
緑色の肌をした大男"マスター"の前に通される。

マスターはジャックをゾンビ軍団の一員とするため、
彼を拘束し怪光線を浴びせる。

 

しかし、常人よりも精神力の強いジャックには、
マスターの精神支配は通用しなかった。

マスターは光線の出力を最大まで上げるがジャックは抵抗し、
ついには機械が耐え切れずに爆発してしまった。

 

光線により超人的身体能力を得たことに気づいたジャックは、
博士を打ち倒し、捕らえらていた女性を救出して、
爆発する施設から脱出した。

 

後日、超人的能力を使うとき眼に炎が燃えあがることに気づいたジャックは、
ファイアリー・マスク」として人知れず悪と戦うことを誓うのだった。----------

本誌の比較的現実的な内容に比べて、
こちらは ゾンビ!巨鳥!謎の博士(巨人&緑肌)!と、
これでもかと要素を詰め込んできました

博士デカすぎ

テンポもいいし、
主人公の能力描写も話の中に自然と組み込まれてて、
よい第1話だったと思います。

まぁどのヒーローも大体デフォで超人的な正義感がセットなので、
変わり映えがあるかというと・・・まぁ、アレですが。

この辺はアイアンマンとかX-MENあたりまで待たないといけなさそうですね。

 

SOLDIER OF FORTUNE

アメリカ軍兵士 ジョン・スティール は、WW1の西部戦線に従軍していた。

マリーというスパイを救出したジョンは、
マリーが将軍宛ての極秘の伝令任務に就いていることを知る。

 

マリーの護衛を買って出たジョンはドイツ軍の戦車を奪取し、
一路敵陣を疾走する。

道中、爆撃機や敵兵士の襲撃に合うも勇敢にこれを退け、
ジョンはついに伝令を将軍に届けることに成功するのだった。-----------

ニューヨークものの次は戦争もの。

とは言っても、特段主人公の内面描写もなく、
ひたすらドイツ軍と戦いまくるだけなので、正直感想に困る。。。

 

特になし!以上!次!

 

The TEXAS KID

テキサスキッドは農場が悪党に襲撃されているのを目撃する。

助けに駆け付けるが、農場主は既に死亡していた。

 

現場に落ちていた犯人の帽子を見つけたキッドは、
あえてその帽子をかぶった状態で街を訪れ、襲撃犯をあぶりだす。

 

調査を続けたキッドは、
襲撃事件が銀行への住宅ローンを狙ったものであることに気づき、
次のターゲットに先回りして協力を要請する。

 

襲撃犯がターゲットを襲うのと同時に、
キッドは銀行の入口へ札束の入った小包を投げ込んだ。

ただし、その札束は半分が破り取られており
「隠れ家で待つ」という書置きが小包に添えられていた。

 

黒幕である銀行員は悪党の隠れ家へ向かうが、
それはテキサスキッドと保安官に追跡されており、
悪党たちは一網打尽に捕まったのだった。------------------

 

 

…………これ、マスクドレイダーでよくない!?!?

 

今回初登場のテキサスキッドですが、
特にバックボーンは描写されず、素顔もガンガン晒しています。

ご尊顔

まぁそもそも西部劇自体がそこまで話に幅を持たせづらい、
という構造もあるのですが、連続で読むと胃もたれしてきます。

(そもそも月一発刊の雑誌を連日読んでる私が悪いのですが👈)

 

次に西部劇ものが来たときは、
「西部劇あるあるビンゴ」でも作って遊んでやろうかな。

  • 悪役の目的は金
  • 被害者は牧場主
  • 保安官は善玉
  • 主人公は流れ者
  • 悪役の英語訛りがち
  • 主人公白馬乗りがち

……みたいな。

 

MONAKO

ある日、猛スピードで走る自動車が、
道路を横断する女性に向かって猛進していた。

魔術師モナコは事態に気づき、ステッキを空に向かって振る。

すると、女性は一瞬にして歩道橋の上へ瞬間移動し、
難を逃れることができた。

 

車の運転手はモナコの宿敵Mrムロだった。

ひかれそうになっていた女性ジェシーから話を聞いたモナコは、
Mrムロの目的がジェシーの弟、アルが開発した爆薬の化合式であることを知る。

 

アルの家へタクシーへ向かったモナコたちだが、
家に着く直前、Mrムロの車が出ていくのを目撃する。

モナコはタクシーの運転手へ車を追跡するよう依頼し、
アルの安否を確認するため家へ入った。

しかし、家はもぬけの殻だった。
アルはMrムロに拉致されてしまったのだ。

 

一方、タクシーの運転手はMrムロの車を追いかけていたが、
モナコの連絡先も知らない彼は、なぜ追跡を依頼されたのか怪訝に思っていた。

しかし、そのとき不意に後部座席から声がした。

そこには、降りたはずのモナコが霊体のような姿で座っていたのだった。

 

やがてMrムロの隠れ家までたどり着いたモナコの霊体だったが、
隠れ家は霊体でも通り抜けられない素材に囲われていた。

遠隔で観測していたモナコは、直接隠れ家へ向かう。

モナコは魔法で姿を小さくし、鍵穴から侵入する。

足跡を光り上がらせ、アルが捕らえられた場所までたどり着いたモナコだったが、
Mrムロの罠にかかり捕らえられてしまった。

 

アルと共に振り子ギロチンで処刑されそうになったモナコだったが、
魔法でギロチンに意思を宿し、彼らの拘束のみをギロチンに切ってもらう。

脱出したモナコたちはMrムロを追い詰め、Mrムロは飛行機で逃亡するのだった。

 

今までにないタイプの魔術師ヒーローの登場です。

見た目はシルクハットにマントと、
魔術師というより手品師のようですが、
魔法としか言いようのない能力をバンバン駆使してきます

 

こんな姿です

戦闘においても分身の術でザコを蹴散らすなど、
能力のスキが見当たらないモナコ

 

ライバルポジションのMrムロは、
今回珍しく生存、逃亡したまま話が終わったので、
次回以降も頑張ってモナコを苦しめてほしいところです。

(ほかの作品は大体悪役が死ぬか、警察送りで終わっています。)

 

短編小説(タイトルなし)

ある日、ゴールドクリークの町は混乱に陥っていた。

大量の暴れ馬が突如街を襲い、
多くの建物が破壊され、人々にも多大な被害が出た。

 

町に住む ウェイド・ダンカン は、
ほかの住人と共に調査を始めた。

 

-----数日後、ウェイドたちは近隣の町チェルシーシティにいた。

ラジオ局の前に来たウェイドたちは局内に入り、
突如放送設備を破壊、中にいた人々を打倒したのだった。

 

実は、町を襲った馬を調べたウェイドは、
頭に鉄が埋め込まれているのを発見していた。
ラジオ局から発信されていた無線が、馬を操っていたのだった。

 

・・・チェルシーシティの技術力どうなってんだ

という感じですが、2Pの短編小説でインパクトを出すには、
これくらいインパクトのある設定を持ち出さないといけない、
という構造上の制約もあったりしそうです。

(ただ、想像の追いつかない展開が来ると、和訳しながら読むのがめちゃ大変だったりするのですが)

 

FLASH FOSTER

アメフトのスター選手 フラッシュ・フォスター は、
ローズボウルへの出場権を賭けた試合を前にしていた。

 

しかし、ギャンブラー ブルーノは彼のガールフレンドを誘拐し、
フラッシュに八百長試合を要求した。

 

フラッシュはメッセンジャーを倒して居場所を聞き出そうとするが、
不意を突かれ、後頭部を殴られ気絶してしまう。

 

目を覚ました時には、試合の開始時間が目の前に迫っていた。

迎えに来た友人 ショーティ に会場へ送られる道中、
フラッシュは一通りの事情を打ち明け、彼女の捜索を頼むのだった。

 

試合が始まり、全力を出せないままのフラッシュだったが、
彼女の居場所を見つけたショーティが駆けつける。

フラッシュは会場を抜け出し、
電光石火の速度で誘拐犯を打倒した。

 

試合に戻ったころには、15点差、残り時間4分の状況だったが、
全力のフラッシュは次々と得点を重ね、
終了のホイッスルと同時に逆転勝利を決め、ローズボウルへの出場権を得るのだった。

 

魔術師の次はアメフト選手、
本誌にはないキャラが次々出てきて楽しいです。

(まぁ、やることは結局悪党退治なんですが)

 

一方で、最後のアメフト試合描写は力が入っており、
この路線を続けてくれたら、ヒーロー漫画の中の口直しとしてかなり重宝しそうだな、という印象でした。

 

次回は”ローズボウル”編とのことなので、期待して待ちます。

 

PHANTOM OF THE UNDERWORLD

探偵であり外科医でもある デントン は、
警察の依頼を受け、 ペローネ というギャングを捕まえるため、
医師としてギャングへ接触した。

 

ペローネの腕の治療のために呼び出されたデントンは、
助手のナースへ密かに行き先を告げる。

 

腕の治療を済ませたころ、
ナースの密告により、ペローネのアジトは警察に取り囲まれた。

デントンはペローネの一味もろとも逮捕され、
ほどなくして釈放されたが、同時にペローネが逃げたというニュースを受け取る。

 

まだ素性がばれていないと判断したデントンは、再度ペローネへ接触する。

ペローネに腕の治療を頼まれた際、デントンは一計を打った。

ペローネ一味が感染症にかかっていると嘘をつき、
予防注射と称して一時的に失明させる薬を打ったのだ。

 

一味が失明している間に警察を呼び込み、ついにペローネは逮捕されたのだった。---------

デントンの敵に取り入る能力がすごいです。

 

それはともかく、タイトルの「地下世界のファントム」とは、誰のことを指すのでしょうか。

順当に考えればデントンですが、そんなにファントム感がないのが気になったところ。。。

医者でヒーロー、というのは他にはない個性なので、次回以降の活躍に期待します。

 

BARNEY MULLEN -SEA ROVER-

バーニー・ミュレンポルトガルリスボンの港で、
自身の貨物船に乗せる積み荷を探していた。

 

金細工をロッテルダムへ運ぶ依頼を受けたバーニーは、
それが戦場を通る危険な公開だと知りながらも、
面白そうだと依頼を受けた。

 

船員を集め出港したバーニーだったが、
戦闘海域に入った貨物船は、巡洋艦や潜水艦の戦闘に巻き込まれる。

 

なんとか切り抜けたものの、
続けて士気の低下した船員が反乱を起こす。

 

反乱した船員を鎮圧したバーニーは、近くの港へ寄港し怪我人たちを下ろすが、
港の役人に貨物の分け前を要求される。

貨物を見せるためと称し役人を船に乗せたバーニーは、
役人を海に落としてロッテルダムへ再出発するのだった。

 

しかし、ロッテルダムに着く直前、貨物船のボイラーが爆発してしまう。

救命ボートに乗り込んだバーニー達の前に、貨物受取人のボートが現れた。

船を失ったバーニーだったが、金細工はしっかり救命ボートに運んでいた。

報酬が船を失って余りあることを知っていたバーニーは、貨物を引き渡し仕事を完了した。----------------

ジャンル分けするなら、"ドタバタ珍道中もの"でしょうか。

主人公のバーニーの豪胆さがすごいです。

反乱を鎮圧するバーニー

なぜこんな危険な任務を受けたのか、みたいな掘り下げは一切なく、
豪胆さで次々状況を切り抜けていく姿はすがすがしいものがありました。

 

貨物船の航海に、戦争に伴う危険があるというのも、
時代性を感じて個人的にgoodでした。

 

総評

本誌と比べると現代劇寄りで、
全体でみると超能力控えめでミステリー要素が強めな「Daring Mystery Comics」でした。(Monacoさんがその分魔術使いまくってますが)

 

しかし超能力がないのはかなり痛いのか、
現代まで残っているキャラクターは今回出ませんでしたね。

 

各主人公の設定はアメフト選手、船員、医者、魔術師と幅がでかいので、
次回以降どのように話を広げていくのかは素直に楽しみにしたいところです。