Marvel Unlimited 全読みブログ

Marvel Unlimited で読めるコミックを出版年度順に読み、感想を記録するブログ

Marvel Mystery Comics #4 (1939) 敵にも個性が出てきました。

表紙にも戦争色が。

発売日:1939/12/20

 

前回はネイモアが戦争への協力を持ち掛けられ、KA-ZARは宿敵ポール・デ・クラフトの再来が示唆されました。

今回、物語の縦軸はどのように動くのでしょうか。

 

THE HUMAN TORCH

ヒューマントーチはニューヨークへ急いでいた。

警察の協力者 ジョンソンから、町が グリーン・フレイム によって襲われているとの報せを受けたのだ。

 

ブロードウェイへ着いたトーチは、警察の検問によって止められる。

とっさに ジム・ハモンド と名乗ったトーチは、警察の職務質問を受けるが、そこにグリーン・フレイムが現れた。

 

全身を緑色の炎に包んだグリーン・フレイムを見て、警察は逃げ出してしまう。

トーチは炎を纏い、グリーン・フレイムに飛び掛かる。

グリーン・フレイムの炎は、その見た目とは違いとても冷たい氷の炎だった。

しかしトーチの火はより強かった。グリーン・フレイムはトーチの熱に負け、息絶えた。

 

ジョンソンと合流したトーチは、黒幕が マニャック博士 という人物だと知らされる。

博士はグリーン・フレイム軍団を盾に、政府へ身代金を要求していたのだ。

 

時を同じくして博士の拠点では、特殊な耐火服に身を包んだ兵士が次々に緑の炎の中へ入り、グリーン・フレイムとなっていた。

グリーン・フレイム軍団はついにニューヨークへ実力行使に出る。

トーチは次々にグリーン・フレイムを倒し、逃亡を試みたマニャック博士を捕まえたのだった。--------------

ついに特殊能力を持った敵が登場しました。

グリーン・フレイムの製造風景

とはいえ、グリーン・フレイムはあくまでマニャック博士の手下なので、これからレギュラーになりそうなポテンシャルはなさそうです。

(トーチの炎にあっさり力負けしてますし)

 

また、2話で登場した警察官のジョンソンが再登場しました。

これまでのヒーローはだいたい一匹狼なので、味方側のレギュラーキャラができると、いよいよシリーズとして安定してきた感じがします。

 

THE ANGEL

港沿いの"デビルズ・プレイグラウンド"という地区で、ブリンクというギャングが組織の乗っ取りを目論んでいた。

ブリンクはブッチという3mを超す大男を引き連れ、マフィアの会合に現れた。

ブッチには拳銃も効かず、マフィアの幹部たちを次々と窓から放り投げる。

 

ブッチの強大な力により、NYは混乱に包まれた。

町で暴れるブッチの前に、エンジェルが駆けつけた。

エンジェルは持ち前の格闘能力でブッチを相手に素早く立ち回り、ブッチはついに隠れ家へ撤退した。

 

エンジェルは見物人に警察を呼ぶよう告げ、隠れ家となるビルへ入り込む。

再びブッチとの格闘が始まり、ブッチはエンジェルへ椅子を投げつけたが、エンジェルは椅子を掴んで投げ返し、バッチへぶつける。

 

激高したバッチはエンジェルへ突進するが、エンジェルは素早くその身をかわし、突進の勢いのままにバッチを壁に叩きつけた。

バッチはその怪力によって壁を突き破ってしまい、3回の高さから地面へ落下し力尽きた。

 

逃げ出したブリンクも、隠れ家を囲む警察により捕らえられ、ニューヨークの平和は保たれたのだった。-------------------

今回の敵役バッチは、特殊能力はないものの、見た目にインパクト十分でエンジェルを苦しめます。

(拳銃が効かない時点で並の人間ではないですが)

 

1冊で複数のヒーローが出てくると、やはりこういった個性的な悪役の活躍が良いアクセントになりますね。

 

身長がデカすぎる

 

PRINCE NAMOR The Sub-MARINER

ネイモアは、ニューヨークの警察官ベティから、戦争への協力を求められた。

ネイモアは故郷アトランティスへ帰り、議会へ兵器使用の承認を求め、
王は戦闘機の使用を承認する。

 

ネイモアは3人の部下と共に水空両用の戦闘機でアトランティスを旅立つ。

 

戦争中の大西洋で、ネイモア達の編隊は水中より突如現れ、戦争中の航空機を撃墜する。

そして潜水艦の影を見つけると、音もなく忍び寄り怪力でその船体を破壊した。

 

アメリカの貨物船がドイツ軍に拿捕されているのを発見したネイモアは、占拠された船内に入り込み、捕らえられたクルーと接触する。

状況を把握したネイモアは、近くを監視しているUボートを破壊し、
クルーを鼓舞して船内のドイツ軍を撃退する。

そして、周辺に敷設された海中機雷を部下に命じて深く沈めさせ、貨物船を本来の航路へ出向させるのだった。-----------------

というわけで、前回までアメリカの厄介者だったネイモアは、本格的に戦争へ介入を始めました。

水中も飛行可能な戦闘機を駆って戦場を無双していきます。

オーパーツが過ぎる

・・・正直、こんな兵器持ってるんなら正攻法で世界征服できるんじゃね?とも思いますが、今のところその気はなさそう。

 

ネイモアはこのまま戦争への介入を続けるんですかね。

並の軍隊じゃ相手にならなそうですが、次回の展開に期待します。

ネイモアの軍服姿も披露されました

THE MASKED RAIDER

金を見つけた老人が悪党に狙われ、マスクドレイダーに救われました。

安定のテンプレ展開です。

見どころを上げるとすれば、ついにマスクドレイダーが銃を一切使わずに事件を解決した、というくらいですかね。

格闘シーンはこの1コマのみ

WARNING ENOUGH

ティーは、郊外でヒッチハイカーを載せる。

車内で会話をしようとするが、ヒッチハイカーはとても不愛想だったため、機嫌を悪くしたスティーブはヒッチハイカーへ降りるように告げた。

しかし、ヒッチハイカーは刑務所からの脱獄囚で、スティーブに銃を突きつけ、車を走らせ続けるよう要求した。

 

ティーブの住む街を抜けるよう要求し、助手席の影に隠れた脱獄囚だったが、スティーブは町の住民に気付いてもらうため、普段と違う走り方やルーティーンを取り、異変に気付いてもらうよう行動する。

 

町の外れまで運転したスティーブは脱獄囚に殺されそうになるが、警察のサイレンにより脱獄囚は逃げ出す。

ティーブの行動が功を奏し、町の住民が警察を呼んでくれたのだった。

今回の小説パートです。

話の派手さはないですが、車の中という閉鎖空間のシチュエーションスリラーになっており、読みごたえがありました。

 

ELECTRO THE MARVEL OF THE AGE

ゾグ教授は、人類への平和を守るためロボット「エレクトロ」を作成した。

ゾグ教授の脳波コントロールに従い、エレクトロはその怪力を発揮した。

 

テストを終えた教授は、12人の若者を招集し、小型の携帯デバイスを貸与する。

そして教授は彼らに、平和も守るためエレクトロの発信を要請する権限を与えたのだった。

 

エージェントNo.3のディック・ガードナーは、子役の誘拐事件を捜査し、その隠れ家を突き止めた。

女の子を救出したディックだったが、隠れ家からの逃走中、追っ手に腕を撃たれ追いつめられてしまう。

 

ディックはゾグ博士へエレクトロの出動を要請する。

エレクトロは簡単に犯罪者を倒し、ディックと女の子は救われたのだった。

新ヒーロー、エレクトロの登場です。

 

エレクトロ自体に人格はなく、12人の正義感ある若者だけがエレクトロを使用できる、という制約が個性的でかなり面白いです。

さらに、エレクトロの操作自体はゾグ博士が実施するなど、チームで運用するスーパーヒーローという面が強調されています。

こんな感じで呼び出します

設定が凝っている分、話の進め方によってはかなり面白く展開していきそうなので、期待します。

(見た目があんまりかっこよくないことだけが難点ですが。。)

 

FERRET MYSTERY DETECTIVE

私立探偵フェレットは、家で発砲事件を報じるラジオを聞いていたが、ドアをノックする音に気付く。

そこにはまさに、ラジオで報じられた発砲事件の被害者が立っており、そのまま息絶えてしまった。

 

遺体を警察に運んだフェレットは、遺体からモンテカルロのナイトクラブのマッチを見つける。

調査を進め、容疑者をドクとプリマという2名に絞った。

 

彼は、リン・フロハイムという女性に容疑者の周辺を調査するよう依頼するが、リンが誘拐されて計画は裏目に出てしまう。

誘拐の報を受けたフェレットモンテカルロに急行し、隠し扉を見つけてドクがリンを追い詰めているのを見つけ、救出した。-------------

新キャラクタの登場です。

話自体は今まで見たような探偵ものですが、大きな特徴としては絵がまったく上手くないことですね。

炎に包まれるフェレット。どんな状況でも常にこの表情です。

 

ADVENTURE OF KA-ZAR THE GREAT

KA-ZARの父親を殺したポール・デ・クラフトコンゴへ帰ってきた。

彼は出資者であるエド・キブリンと行動しているが、お互い信用はしておらずどこかで裏切ろうとしていた。

ポールたちが従える先住民は、「白いジャングルの神」を恐れているが、ポールは暴力で先住民を縛っていた。

 

彼らの来訪は、程なくしてKA-ZARの耳にも入った。

キャンプを偵察したKA-ZARは、自分を発見した先住民に気付き、矢で射殺した。

 

先住民たちは恐れをなし、ジャングルから逃げ出そうとするが、ポールは一人を容赦なく射殺し、先住民を抑えつけた。

その様子を見ていたKA-ZARは、ポールの存在に気付きポールへの復讐を決心する。

 

他の動物に手を出さないよう説得したKA-ZARは、ポールへの復讐を開始する。

KA-ZARはライオンのような雄叫びを上げ、先住民を恐怖させ逃げ出させた。

そして、ZARを狙っているキブリンの前に現れ、原住民たちとともに立ち去るよう脅しつけたのだった-------------------(次号へ続く)

KA-ZARは大きな山場を迎えました。

1話に出てきた父親の仇に対し、"ジャングルの神"に上り詰めたKA-ZARが再び対峙する展開、素直に激熱です。

 

また、他の動物たちを説得するシーンも、これまで登場した動物たちが登場し、クライマックス感を演出しています。

動物サミットのシーン

他の作品が1話完結なのに対し、過去の要素を拾いつつ物語を盛り上げているKA-ZAR、今号で一番面白いですね。

巻末にいるのがもったいないくらいです。

 

総評

本誌の4号となりますが、連載レギュラー組はそれぞれ物語に変化をつけて盛り上げてきました。

敵キャラに個性を盛りつけ、主人公でなければ対処できないような相手が次々出てくると、読んでて非常に楽しかったです。

(Daring Mystery Comicsの方が地味すぎるのもあって、余計に・・)