Marvel Unlimited 全読みブログ

Marvel Unlimited で読めるコミックを出版年度順に読み、感想を記録するブログ

Marvel Mystery Comics #2 (1939)

表紙はエンジェル

出版年:1939年10月11日

 

創刊号の「Marvel Comicsからしれっとタイトルが変わってますが、
続巻となる「Marvel Mystery Comics #2」の感想です。

 

ちなみに前巻の発売日は1939年8月30日で、
この間の出来事としては、第2次世界大戦が開戦しています。
すごい時代だ・・・!!!

 

ただ、この時点での主戦場はヨーロッパなので、
アメリカはそこまで戦争の影響を受けていない状況。*1

出版前後の社会情勢を気にしつつ、読んでいきます。

The HUMAN TORCH

自動車レースを見物していたトーチは、
レースカーの1台が炎上しコースアウトするのを目撃する。


パイロット救出のため変身し、
客席から駆け付けたトーチだったがドライバーは助からず、
更に他のレースカーも次々と炎上するのを目の当たりにした。

レース場の上空を飛ぶ不審な航空機を発見したトーチだったが、
直後に優勝したドライバー ブラッキー・ロス の通報により逮捕、
留置場に収監されてしまう。

留置場内で ジョンソン という男から話を聞き、
黒幕がロスであると知ったトーチは、
留置場の檻を溶かして脱出し、ロスを追跡する。

 

一時ロスの手先により坑道に埋められるなどしたが、
最終的にロスを追い詰めたトーチは、
実は警察官であったジョンソンに身柄を引き渡すのだった。----------

前回に引き続き、1枠目はヒューマントーチです。

 

前話にて、創造主であるホートン博士のもとを去ったトーチでしたが、
今回は冒頭からレース観戦を楽しんでいます。

(動力源どうなってんだ)

レース観戦を楽しむトーチ

一方で、自身の能力が原因で冤罪をかけられるなど、
社会との折り合いは未だかなり悪いトーチ。

しばらくは私立探偵的ポジションでの活動となりそうです。

まぁ、

  • 手錠を溶かす
  • 鉄格子を溶かす
  • 警察署の壁を壊す
  • 追跡してきたパトカーを火球で足止めする

など、世が世ならヴィラン扱いされてる行動を平然と実行するので致し方なし。

 

一方で、あらすじではかなり省略しましたが、
ページ数的には悪役ジムの追跡パートがかなり長いです。

具体的には、

  • トーチvs航空機
  • 罠にかかり坑道に閉じ込められる
  • トーチvsジム(車) in レース場
  • トーチvsジム一味 in 鉄工場
  • トーチvsジム(飛行機) in空港
  • トーチvsジム(車) in空港

と、8ページにこれでもかという内容が詰め込まれています。

(ジムは一般人なのですが、粘りっぷりがすごい。)

絶対に食らいたくないパンチ

誌面トップだけあって、読み応えがありました。

能力も派手なので、まさに"看板役者"といった感じです。

The ANGEL

中国の港にオレゴン号という客船が着眼した。

船を降りた女性ジェーンは、謎の中国人に追跡される。

人力車で逃走しようとしたジェーンだが、
程なく追いつかれ、謎の中国人に襲われてしまう。

 

その瞬間、エンジェルが駆け付け中国人を一蹴した。

ジェーンは通りすがったアメリカ人紳士の申し出で
ホテルへ送ってもらうこととなり、
エンジェルは謎の中国人の素性を追う。

 

だが、アメリカ人紳士こそが黒幕であり、
ジェーンが持っている宝の地図を奪うため、
彼女を拉致するのだった。

 

一方、中国人のアジトを制圧したエンジェルは、
紳士からの拉致成功の連絡を傍受する。

拉致されたジェーンの必死の抵抗により、
エンジェルはついに紳士を発見、
格闘の末に勝利し、ジェーンを救ったのだった。-------------

今号の表紙を飾るエンジェル、初の中国が舞台です。

まぁ中国要素はあんまりないんですけど。

 

そして今回も特に特殊能力は見せず、
そもそもなんで中国にいるのかも語られないエンジェル。

 

ある意味いちばん出自が気になるキャラクターかもしれません。

 

あと、説明セリフが長くて、ちょっと読むのがしんどかった。。

めちゃくちゃ喋るエンジェル

The SUB-MARINER

ニューヨークの港にたどり着いたネイモアは、
水中調査中に工場の取水口にのみ込まれてしまう。

 

怪力で水道管を破裂させ、工場内に脱出したネイモアだったが、
誤って高圧電線に触れ、人類から攻撃を受けたと誤解してしまう。

 

工場を破壊しセントラルパークの池に移動したネイモアだが、
警官に見つかり銃撃を受ける。

だが、ネイモアは銃弾を易々とつかみ、
事も無げにその場を後にするのだった。

 

市民に溶け込むための服を求めたネイモアは、
ある服屋に入るが、出迎えた女性の服がタバコの火により燃えるのを目撃する。
とっさに駆け寄ったネイモアは自身の能力で水を吹き出し
火を消化する。

 

しかし、その女性に惚れ込んだネイモアは、
女性を自身の海底王国へ連れ帰ろうとする。

海岸での警官との攻防の末、
警官は1名の犠牲を出しながらも、なんとか女性の救出に成功した。--------

……ということで、怪獣かキングコングでも見ているような話でした。

 

ネイモアはまだ文明社会に明るくないようで、
"服装"や"拳銃"など、ありとあらゆるものに興味を示します。

また、女性に惚れやすい(?)といった弱点も今回明かされました。

火はこのように消すのだ

今後、侵略を進めていくか、
逆に人類との融和が行われるのか、
中々先の予想がつかない展開なので、次回も期待。

THE MASKED RAIDER

悪党”フック”テブスは、
保安官に知られていない渓谷にアジトを持っていた。

ある日テブスは、金塊強奪のための人員確保のため、
部下を町へ派遣する。

 

町に訪れていたマスクド・レイダーは、計画を耳にし、
身分を偽ってテブスの一団に潜入する。

計画の実行が近づく一方で、
マスクド・レイダーは保安官と内通する。

 

計画決行の日、テブス達がアジトを出た後、
レイダーはアジトで狼煙を上げ保安官を呼び込み、
決戦の末、悪党の一団は一掃されたのだった。--------------

全体的に訛り英語、服装はみんな同じで、
アメリカ文化に明るくない私には厳しすぎる作品の第2話です。

 

まぁお約束というかなんというか。

保安官とレイダーが1話限りの悪党を倒すというパターンで固定された、
ある種、水戸黄門的な楽しみ方をするべき作品なのかな、と感じてきました。

(その場合感想が書きづらいんですが)

 

AMERICAN Ace

カスティーラ国の王女ウルスラは、
その残酷さによって長く国外追放されていた。

復権を目論むウルスラ女王は、
隣国アッタイニアの刺客を装った暗殺者により、
カスティーラ国の大臣を暗殺した。

国民の怒りの感情を味方につけ、
ウルスラは王位に復権、アッタイニアへの宣戦布告を行う。

 

そのころ、アメリカ人パイロット ペリー・ウェイド は、
鉱物調査のためアッタイニア上空を飛行していた。

町に着陸したウェイドは、
戦場と化したアッタイニアの惨状を目の当たりにするのだった----------

こちらは新作ですね。

といっても、ページ数は少なめで、
話も中断されたように終わりました。

冒頭のウルスラ女王の暗殺の下りは、
第一次大戦を意識しているのかな、という感じを受けます。
(だから架空の国が舞台なのかな)

 

主人公は今のところ一般人でしかないですが、
今後どういった運命をたどるのか期待です。

 

DEATH-BIRD SQUADRON

ドイツ軍の空襲を受ける街----

エンジェルは対空機銃を操り1機の戦闘機を落とす。

ほかの戦闘機に飛び乗ったエンジェルは、
パイロットと格闘し、戦闘機を撃墜するのだった。

今回の短編小説パートです。

 

そして、まさかのエンジェルの過去編です。

(時期的にWW2ではないと思うのですが、間違ってたらすいません。)

 

といっても、エンジェルのパーソナリティ的描写はなく、
ただただ戦闘機を落としていくだけのお話です。

漫画では特に特殊能力の描写はないですが、
今回は戦闘機に飛び移るなど、かなり超人として描写されています。

 

長文読解はなかなか労力を要しますが、
キャラの掘り下げをしてくれるのは素直にうれしいです。

 

KA-ZAR

親を亡くし、ライオン"ZAR"の根倉に迎えられたカザール

しかし、根倉に住むZARのパートナー"SHA"は、
カザールが住むことを快く思っていなかった。

 

ある日、ジャングルを探索していたカザールは、
ポール・デ・クラフト(前回の悪役)が残したキャンプを見つける。

手鏡を回収しようとしたカザールだったが、
手鏡をサルの バーダック に先に拾われてしまう。

格闘による奪い合いの末、
カザールはバーダックの首を締めあげ、勝利した。

一方、ZARとSHAの間にも、大きな出来事が起きた。
2匹の子供が生まれたのだ。

 

数日後、バーダックはカザールに負けたために、
猿の部族内で爪弾きにされていた。

失った名誉を回復するために、
バーダックは鏡を取り戻そうとZARの根倉へ忍び込む。

しかし、バーダックはSHAに見つかってしまい、
子供を一匹さらって根倉から逃げるのだった。

 

外に出ていたカザールとZARは、
子供が攫われたことを知り、バーダックを追跡する。

バーダックを発見し、デスマッチを挑まれたカザールは、
ZARの子供のために了承する。

格闘の末、カザールはバーダックの胸にナイフを突き立て、勝利した。

息子を救ったカザールは、ついにSHAからも家族と認められるのだった。

今回も巻末を飾るカザール。

実はどの作品よりも連続性があり、一番楽しく読んでいます。

(前回の悪役のキャンプが再登場したり、各動物に部族や固有名が設定されてたりと)

 

1話では"息子"属性が強い感がありましたが、
今回は戦士として猿との一騎打ちを制すなど、
成長が描写されました。

次回以降どのように展開させていくのか楽しみです。

 

総評

各ヒーローの第2話となる今回、
ある程度話のフォーマットが見えてきたものもあれば、
まだまだ導入の印象が強い作品もあるという印象。

 

アメリカンエースが始まった一方で、
前回のジャングルテラーは今回掲載なしでした。

このあたりは流動枠的な扱いなんですかね。

マスクド・レイダーあたりは先々あやしそうですが。。。。

*1:太平洋戦争は1941年から